親帰宅
「ただいま」
俺は学校から帰るといつもと同じように我が家に声をかける
「おかえりー」
「おかえりなさい」
リビングから声が聞こえて緑の髪をショートカットにした女性が出てきた
「母さん、いつ日本に帰ってきたんだ」
この二十代…へたしたら十代に見える女性、俺の母親の君吉 昌子(きみよし しょうこ)である
「話は後、とりあえず中に入りなさい」
そう言われ俺は居間に向かう、そこにはTシャツ短パンというラフな格好の父親
君吉 龍也(きみよし たつや)がソファーで新聞を読んでいた
「二人ともいつ日本に帰ってきたんだ」
俺はソファーに腰掛けるとさっきと同じ質問をした
「ついさっきだ、研究所に報告をしてすぐに来た、しばらくは居られる」
「そうか……親父聞きたいことがある」
「『力』の事だろ」
「どうして聞くことが解ったんだ？」
「帰りに将達に会ったからな」
「そうなんだ…」
「『力』自体の事は判ってるんだろ？」
「ああ、耕一さん達に聞いたからな」
「耕一さん?」
「柏木耕一、鶴来屋会長の従弟」
「ほう、柏木家の」
「ところで、何で力のこと教えてくれなかったんだ？ 俺が力に目覚めたとき見てたって聞いたけど……」
「聞いてこなかったからなー」
………オイオイ（汗）
「……あの時、何で止めに来てくれなかったんだ」
さっきとはうって変わって俺は真剣になる
「許してくれ、俺が駆けつけた時には………」
「………そっか」
「奏、ダメな親父ですまないな…」
「もういいよ」
俺はソファーにもたれ掛かりながら言った
「はい、奏ちゃん」
俺は母さんが入れてくれたお茶をすする
「奏」
「何だ？」
「こんなときに言うのもなんだが…」
「いいよ、そのことについては言いたいこと言ったらすっきりした」
「そうかなら言わせてもらう………癒李ちゃんとは『ヤッた』のか」
ごんっ！
俺はテーブルに思いっきり頭をぶつけた
「大丈夫？」
「……おい親父」
「あははは………」(汗)
俺は親父を睨みつける
「で、本当のところはどうなの?」
母さんまで…やめてくれ……
「……えっと…それは……」(汗)
「……そのようだとまだみたいね」
母さんはため息をつきつつ言った
(2002年4月13日)
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