ガトリング砲
『奏ちゃん、今からそっちにいくね』
『おう、了解』
日曜の昼、俺は部屋でパソコンをいじっていると
山瀬家に戻っていた癒李からのテレパシーが入る
数日前、また親父と母さんは遺跡調査と言うことでまた出かけていった、
今度はアフリカだそうだ、と言う訳でまた一人暮しの状態に戻ったわけだ
ピンポーン
「奏ちゃーん」
「開いてるから入っていいぞー」
癒李の呼びかけにリビングから答える
それから俺達はテレビを見たりパソコンをいじったりしてすごした
それから夕食の買い物に商店街へ行き俺は肉屋へ、癒李は八百屋へ
『奏ちゃん！』
俺が肉屋を後にして歩いていると癒李のテレパシーが入る
『どうした？』
『今、買い物終わって本屋さんの前にいるんだけど、また絡まれちゃって………』
『今、行く』
俺は急いで本屋の前に行くと5人組みの男に癒李が囲まれていた
文化祭のときもそうだったが人前で超能力を使わせるわけにはいかない
「俺達と遊びに行こうぜ」
「いえ、人が待っていますから」
「あ、奏ちゃん」
癒李は俺を見つけると声をかける
「ん？ ……あんなパッとしない男より俺達と遊ぼうぜ」
カチン
パッとしない奴で悪かったな……
あ！ 癒李のやつなんか肩を震わせてる……
「来いよ！」
それに気がつかない男達は強引に癒李を連れていこうとする
「あんなクソ野郎のどこがいいんだよ」
ブチ
何かの切れる音がした
「俺の物に手を出すんじゃねー！」
俺は力を解放し跳びかかろうとするが…
「…………奏ちゃんの……が……だって？」
「へ？」
「……奏ちゃんのどこがクソだって？」
癒李の体の周りに黒いオーラのようなものが見える……(汗)
「う、動けねー」
癒李は念動力で男達を動けないようにする、そして
シュッ
ゴト ゴト ゴト
癒李が足元に握りこぶしほどの大きさの石を大量に転送した
「………ガトリング砲」
癒李はポツリと呟くとその大量の石を男達に向かって飛ばす、文字通りガトリング砲のように
ガン ゴン ドス ゴツ ガツ ゴス………………
バタ バタ バタ
癒李が念動力を解くと男達は一斉に倒れる
「奏ちゃんのことを悪く言ったら許さないからね」
そう言うと癒李は男達を転送した
「どこに送ったんだ」
「ここに置いておくと邪魔だし、病院の前に転送しといたよ」
「じゃあ帰るか」
それから俺は家で癒李の料理を堪能しリビングでくつろいでいた
「奏ちゃん、ありがとね」
「何いってんだよ結局やっつけたのは癒李じゃないか」
「そうじゃないよ、連れていかれそうになったとき叫んでくれたじゃない『俺の物に手を出すな』って」
「いや、あれはとっさに………って何で脱ぐ!?」
何故か癒李は服を脱ごうとしている
「だって………私は奏ちゃんの物だし」(ポッ)
「だぁー、服着ろ」（汗）
それから俺は癒李をなだめるのに一時間かかった
………別にしたくない訳じゃないが軽はずみにやるようなことじゃないからな
(2002年4月25日)
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