あんたが最強
「もうすぐで着くぞ」
「結構商店街に近いんですね」
俺達は祐一さんに連れられて彼の居候している水瀬家に向かっている
「着いたぞ、ここだ」
祐一さんに招かれ俺達は中に入った
「「お邪魔しまーす」」
ガチャッ
リビングのドアを開けるとそこには９人の女性がいた
「お帰り祐一、昨日、話してた二人ってこの人だよね」
「おう、そうだ。それじゃあ早速自己紹介かな、こっちが君吉 奏と山瀬 癒李さん」
俺と癒李はペコリと一礼する
「それでこっちにいるのが……」
「私は水瀬 名雪だよ」
「あぅ…沢渡 真琴」
「美坂 栞です」
「美坂 香里よ、よろしく」
「天野 美汐です、よろしくおねがいします」
「あははー、倉田 佐祐里です」
「それでこちらが水瀬家の家主の水瀬 秋子さん」
『若いね、とても高校生の娘がいるとは見えないよ』
『俺達の親も十分若いが秋子さんはほんと若く見える』
癒李が俺にテレパシーの回線を開く
「まあ、お世辞なんか言って」
「「えっ!?」」
回線は俺と癒李だけにしか繋がってないはずなのに……
「祐一さん」
俺は横にいた祐一さんに小声で話しかけた
「秋子さん、今俺と癒李のテレパシーでの会話聞こえてたみたいなんですけど……」
「……あの人はそういう人だから」
祐一さんは顔を引きつらせながら言う
「それとこの二人には特別な力があるんだ」
祐一さんはみんなに向かって言う
「え、特別な力？」
「どういう事、相沢君？」
名雪さんと香里さんは頭に『？』マークを出しながら言う
「祐一さん俺達の力のこと言ってなかったんですか？」
「全然言ってない」
「………………」
「ねえ、祐一『特別な力』って何？」
名雪さんたちは祐一さんの言葉の意味を理解してないようだ
「………こんな力」
舞さんはポツリと呟くと目の前にうさみみをつけた小さな女の子が現れる
「こんな風に人にはないような力のことを言うの」
その小さな女の子は言うとふわりと宙に浮き舞さんの肩の横で止まる
「それってあの時の『まい』だよな？」
祐一さんは思い出すように言う
「………うん、自由に召還できるようになった」
「ふぇー、特別な力って意味はわかりましたけど、どんな力が使えるんですか？」
「じゃあ、どっちからやる？」
祐一さんは俺達に聞く
「じゃあ、私から…、テーブルの上空けて下さいね」
そう言うと癒李は目を閉じる
シュッ
コトン
テーブルの上にはこのあと出すために台所においてあった料理が
「私はあと瞬間移動、テレパシー、念動力が使えます」
「すごいです…」
「なんか便利そうだよ」
昨日見た祐一さんとあゆさんと舞さん以外は驚いてるようだ………あ、秋子さんも平然としてる
「君吉さんにはどんな力があるんですか？」
「俺の力はあんな風に便利なもんじゃないんですよ」
俺は美汐さんからの一言に答えると力を解放して片手を鬼化させる
「俺には鬼の血が流れてるんです力を解放すれば身体能力を上げることができる」
そう言うと俺は力の解放をやめて鬼化させた腕を戻す
「なんか怖いけどかっこいいですね」
「結構物騒な力だけどね………」
それから俺達は秋子さんの手料理をいただきながら雑談をする
「所で、瞬間移動ってどれくらいの距離まで行けるんですか？」
「さあ？ 隆山から東京まではよく行くし余裕だけど」
「じゃー、隆山からここまでは？」
「やってみようか」
癒李は乗り気だ
「奏ちゃん行くよ」
癒李は俺の手を握る
シュッ
いつもの通り不思議な感覚に包まれて次の瞬間俺の家のリビングにいた
「ふー」
癒李は少し息を切らせていた
「癒李、平気か？」
「うん、まだまだ平気。じゃあ、戻るよ」
シュッ
俺達は水瀬家に戻ってきた、それから少ししてお開きになった。俺と癒李はホテルへの道を歩く
「癒李平気か？」
「やだなあ、奏ちゃん心配し…す……ぎ…」
「癒李！」
俺はそのまま倒れこむ癒李を受け止める
「癒李、平気か！」
「………スゥ…スゥ」
静かに寝息を立てる癒李、俺は癒李を背負って歩き出す
ホテルの部屋につくと俺は癒李をベッドに寝かせる、
部屋は山瀬夫婦で１つ、俺と癒李で１つと何か策略を感じる……
「………う、うーん、ここは？」
「ホテルの部屋、お前帰り道の途中で眠っちゃったんだぞ、無理しやがって」
「ごめんね、力不足で」
「そんなことはどうでもいいんだ無茶しないでくれ、心配したんだぞ」
「奏ちゃん………」
それから俺と癒李は遅くまで話しこんだあと眠った
一方
「何で折角部屋を分けたのに何もしないのよ」
「まあまあ」
………やっぱりそういう事か（汗）
（2002年5月1日）
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