鬼ごっこ
ピンポーン
俺は癒李と一緒にリビングでくつろいでいると呼び鈴が鳴った
「はーい」
俺がドアを開けると息を切らせた耕一さんが立っていた
「よう、奏元気か？」
「それはこっちの台詞です。耕一さんこそどうしたんですか？」
「すまないが話は後だ！ 入れてくれ」
耕一さんのただ事じゃない雰囲気を感じすぐ家に入らせる
「耕一さん一体どうしたんですか？」
癒李が耕一さんにたずねる
「それが……」
耕一さんの話によると
とうとう柏木４姉妹が優柔不断な耕一さんに
『誰が一番好きなのか？』と言って迫ってきたため逃げ出してきたとの事
「四人とも俺の大切な女性だ！ だから誰か一番なんて決められない」
耕一さんは赤面しながら言う。その時…
ピンポーン
呼び鈴が鳴る、俺は癒李に俺達と耕一さんに回線を繋ぐよう言い、ばれない様に窓からから外を見る
そこには柏木４姉妹が勢ぞろいしていた
『……４人とも来てます』
『そんな………』（泣）
『とりあえず、癒李と２階の俺の部屋に行ってて下さい』
耕一さんと癒李は２階に上がっていく
ピンポーン
また呼び鈴が鳴る
「はい、はーい」
ガチャ
俺はドアを開ける
「こんにちは奏君、耕一さん来てないかしら」
千鶴さんは笑顔で聞いてくるが目が笑っていない
「来てませんけど」
「本当ですか？」
千鶴さんが言ったとたん周りの温度が５度くらい下がった
「今、２階に上がる音がしたんですが……」
「癒李が来てるんですよ」
「上がらせてもらってもいいですか？」
「……いいですよ」（大汗）
俺は１階の部屋から見せていく
『おい、癒李どうしよう』
『俺の運命のここまでか…』
耕一さんは縁起でもないこと言ってるし
『どこかに耕一さんを転送するってのはどうだ』
『おい奏、どこに転送するんだよ』
『奏ちゃん、東京の耕一さんのアパートはどうかな？』
「癒李でかした」
「癒李？………」
しまった、つい声に出してしまった
「何か隠してるな？」
梓さんが手をパキパキ鳴らしながら詰め寄ってくる
「おねーちゃん………」
初音ちゃんが静止させる。ありがとう初音ちゃん
「白状させるまでやってね♪」
『♪』っておい………（泣）
「………ひょっとして耕一は上か？」
梓さんの一言で４人は２階の俺の部屋に向かう
『癒李早く転送してくれ』
『わかった』
シュッ
ガチャ
間一髪、癒李はドアが開く瞬間耕一さんを転送した
「あら？ 皆さんどうしたんですか？」（汗）
「癒李ちゃん、耕一さんいない」
「耕一さん？ 来てないよ」
あれから何とかごまかそうとはしたが結局隠していた耕一さんの靴が見つかり
癒李は４人の気迫に負け、耕一さんを連れ戻した。
それから耕一さんは４人に引きずられながら柏木家に帰っていった
「……合掌」
次の日疲れ切った四人を見て俺は一人元気な耕一さんに聞くと
「結局あれから４人まとめて………」
「…………さすが最強の鬼」（滝汗）
（2002年5月10日）
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