ハンターチャンス
ガチャ
俺は屋上のドアを開けて外に出る
「ふー」
俺はドアを閉めてから一息つく
今日は、癒李の特訓ということで浩之さんの通っている学校に来ている、
俺の方はと言うと、綾香さんと葵さんは用事で来れないらしく、
浩之さんが「二人で特訓というのも……」との事で中止になった
暇になったので癒李の特訓のでも見に行こうと思ってオカルト研究部の部室に来たのだが
中では癒李と琴音ちゃんは精神集中していたため邪魔しちゃ悪いので退出してきたわけだ
（芹香さんは二人の様子をじっと見ている）
「降りるか……」
俺は力を少し解放して屋上のフェンスを飛び越え、そのまま飛び降りる
スタッ
俺の着地した場所はこの学校の中庭
それからしばらくぶらついていると……
「Ｈｅｙ、フリーズ」
「イヤーーーー」
前から、ボーガンで構えたいつもと様子が違うレミィさんとそれから逃げる志保さんが走ってくる
「奏、ちょうどいいところに」
志保さんは俺の後ろに隠れる
「志保さん、どうしたんですか？」
「ヒロから聞いてない？ レミィのハンターモード」
「ああ、これが…」
一度浩之さんに聞いたことがあったな
「ＯＨ！ エモノが二匹になったネ」
レミィーさんは目を輝かせてる……
「ＧＥＴネ！」
レミィさんは言うとボーガンの弓を放つ
ヒュン
パシッ
俺は少し力を解放し飛んでくる弓を楽々キャッチする
「ＯＨ！ エモノのくせになかなかやるわネ」
レミィさんは次の矢を構えようとするが俺は一瞬で近づき当身をして気絶させる
「おーい、平気か？」
浩之さんが来る
「何が、『おーい、平気か？』よ、あたしのほうに気を向かせて逃げたくせに」
「奏、どうやったんだ？」
「あ！ あからさまにあたしのこと無視したわね」
「軽く当身をして気絶してもらいました」
「そうか……」
『奏ちゃーん』
シュッ
シュッ
癒李のテレパシーが聞こえ、直後、癒李と琴音ちゃんが現れる
「奏ちゃん、ただいまー」
「おかえり……って琴音ちゃん瞬間移動できたっけ？」
琴音ちゃんは癒李のテレポートに便乗してきたのではなく自分でテレポートしてきたのだ
「今日の特訓で使えるようになったんだよ」
「そんなに長距離は移動できませんが……」
「あと、テレパシーも使えるようになったんだよ」
「そうか、癒李の方はどうだったんだ？」
「とりあえず疲れにくくなったよ、これなら隆山から北海道の間を往復しても大丈夫だよ」
「話してるとこ悪いんだけど……、『これ』どうする？」
志保さんが言う、ちなみに『これ』とは気絶しているレミィさんの事だ
「う、うーん」
レミィさんが目を覚ましたようだ
「レミィ、平気か？」
浩之さんが話し掛けるがレミィさんの目を見たとたん表情が変わる
「ＯＨ！ エモノがいっぱいネ」
レミィさんのハンターモードはまだ解けてなかった……
それから暴れだしたレミィさんを俺がまた気絶させ癒李がレミィさんの家に転送してから俺達は家に帰った
（2002年5月20日）
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